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また、一生のうちに仏をつくりたてまつらんといとなむべし。 つくりたてまつりては、三種の供養したてまつるべし。 三種とは、草座(そうざ)、石蜜奨(しゃくみつそう)、燃灯(ねんとう)なり。 これをくやうしたてまつるべし。
〔訳〕 また、生涯のうちに、仏像を造りたてまつろうとこころがけるがよい。 造りたてまつって、三種の供養をたてまつるがよい。 その三種とは、坐る場所に敷く布製の座具と、氷砂糖を水に とかしたものと、お灯明のことである。これらを供養したてまつるのがよい。
ここで、一生のうちに、仏像をつくりなさいと、お示しになっています。 そして、その仏像は、草座、石蜜奨、燃灯などをおそなえし、 ご供養しなさいとお説きになるのであります。 道元禅師の教えとしては、きわめてめずらしい内容です。 道元禅師ご自身がお刻みになった仏像は、寡聞にして、私は知りません。 一、二の伝説はありますが、さだかではありません。 さて、ここで、仏をつくりたてまつれとおすすめになっていますが、 どのような仏さまでしょうか。 おそらく、お釈迦さまか、観世音菩薩ではなかろうかと推察されます。 大日如来とか、阿弥陀如来とか、不動明王とか、特定してありませんので、 よくわかりません。ですから、あるいは、特定しない仏さまかも知れません。
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