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また、この生のうちに、法華経つくりたてまつるべし。 かきもし、摺写(しょうしゃ)もしたてまつりて、たもちたてまつるべし。 つねにいただき、礼拝したてまつり、華、香、みあかし、 飲食(おんじき)、衣服(えふく)もまゐらすべし。つねにいただきよくして、い ただきまゐらすべし。
〔訳〕 また、生涯のうちに、法華経をつくりたてまつりなさい。 「法華経」を書写したり、印刷したりして、大切にしなさい。 つねに、丁重にいただき、礼拝したてまつり、お華、お香、お灯明、 飲もの、食べもの、衣服などをおそなえしなさい。 いつも、頂上をきよらかにして、いただきまいらすものである。
この本文のところも〔訳〕によって、おおよその意味が分ります。 要するに、道元禅師は、「法華経」をいただき、ご供養しなさいと しるしておられます。 道元禅師は、諸経のなかで「法華経」をたいへん尊重しておられます。 「法華経」のなかの一句、「法華経」のおしえを、しばしばとりあげて 説法をしておられます。「諸経の王」だとまでしるしておられます。
ただし、道元禅師にとって、「法華経」は、仏法のなかの「法華経」であります。 「法華経」のなかの仏法ではありません。
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