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自宅のある集合住宅のエレベーターに乗ったとき、大急ぎで走ってくる人が見えたので、扉を閉じずに待っていた。 息を切らせて乗ってきたのは、三十代くらいの女性。私たちは、「こんばんは」と挨拶したが、女性は「すみません」の一言もなく携帯電話のメールに夢中になっていた。 同じ集合住宅の住民に、挨拶もしないような親の元で、子供はどう育つのだろう。最近こんな心配をすることが多くなった―――。 右は、ある新聞の読者投書欄に出ていた文章です。 大乘寺には、外国人をはじめ地域住民のかたがたまで、いろいろなお方がおいでになる。必ずしもお参りではなく、ウォーキング・コースの一つとしておいでになるのではないかと思われるようなお方もいらっしゃる。 大乘寺は、いわば年中無休、二十四時間体制で皆さまをお迎えしています。 しかし、挨拶―――これは、もともと、禅宗のことば、相手に近づくという意味、お互いのこころを開く―――私の方でおおきな声で「おはようございます」「こんにちは」と挨拶しても、知らんぷりの人もいらっしゃる。なかには、なぜか悪態をついたり、毒舌をふるうひともいます。 昨今は、老いも若きも、出会っても挨拶すら出来ない人が多くなったなあ、どんなご家庭のお方なのかなあ、悲しいなあと、おちこんでしまうこともあります。 挨拶は生活の基本でしょう。
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