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「「仏教」なる語が普及したのは明治以降であり、キリスト教と区別するための造語であった。近代以前には、「仏法」とか「ほとけの道」と言った」(北陸中日。二○一七年二月八日夕刊)。 右は、まんざら間違いではないが、誤解を生じやすいとおもわれるので、以下に少々述べておきます。 「仏教」という語は、インドのパーリー語の「法句経」、中国の漢訳の「増一阿含経」に、すでに出ている。漢訳は「諸悪莫作、衆善奉行、自浄其意、是諸仏教」。日本の平安時代、恵心僧都撰「往生要集」に「仏教に遇ふことまた難し」とある。鎌倉時代、道元禅師のお示し「正法眼蔵」には「仏教」、「諸悪莫作」の巻、その他がある。 「仏教」の語が一般に普及したのは、明治以降かも知れないが、ことばそのものは、二千数百年まえ、インドの釈尊の時代から厳然としてあり、人びとに親しまれてきた。 「仏教」とは、文字どおり、仏の教え、仏に成る教え。 「仏法」という語がある。地球上、万国に共通する普遍的な真理のこと。 「仏道」という語がある。「仏道」は、「仏法」にもとづいて「仏教」を学び、仏の道を実践していくこと。
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