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これまで、 諸行無常(第14、15号) 諸法無我(第16号) 一切皆苦(第17号) をとりあげてきました。 ここでは、 「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」 のことについてしるしておきます。 諸行無常、諸法無我、一切皆苦、涅槃寂静は、仏教の四法印(しほういん・四つの法印。法印とは、真理(法)のしるし(印)のこと)といわれています。 仏教のおしえの四つの特徴ということ。 さて、「涅槃」は、インドの古いことばサンスクリットでニルバーナ。吹き消す、またはその状態。 苦しみ悩みの燃えさかる炎が消えることが「涅槃」。 お釈迦さまの死を「涅槃」ともいいます。 その「涅槃」の境地は、「寂静」です。しずかということです。そこで、ここに「涅槃寂静」という表現が生れたのです。 さて、また、「涅槃」は、苦しみ悩みを離れたしずかな世界なのですが、実は、その「涅槃」にもとらわれることのない境地なのです。 愛と憎しみ、真実と虚偽、美とみにくいもの、善と悪、聖なるものと俗なるもの、これらのそのいずれをものりこえて、おだやかな境地こそ、「涅槃寂静」といっていいでしょう。 すずかな微笑をたたえ、うれいをふくんだまなざしの偉大なるお方・・ブッダ釈尊こそ、まさにその人であります。
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