わたくしの金沢(1) 第39号
 金沢は、山(医王山。戸室山。大乗寺山。卯辰山)あり、谷あり、川(犀川。浅の川)あり、潟(河北潟)あり、渓流あり、平野あり、海(日本海)あり、田んぼあり、畠あり、山紫水明の地です。
 それに日本三名園のひとつ兼六園公園、金沢城址公園、能楽堂、武家屋敷、茶室、近江町市場、片町、香林坊、金沢駅、21世紀美術館、県立音楽堂、県立美術館、歴史博物館、近代文学館、自衛隊、各種のスポーツ・センターなどなど、さまざまな施設があり、陶器、漆器、金箔、友禅、そのほか、ゆるぎない伝統とあくことなき新しい創造の文化都市です。
 その上、海、山の食べものが、実においしい。
 また、第二次大戦の戦災にも遭っていない、北陸ではめずらしいところです。
 加えて加賀百万石、日本一の大藩・前田藩の藩政を引き継ぐかたちといってよいのでしょうか、今も、多くの神社、仏閣は大切に保護されています。
 金沢の地元新聞をみると、毎日のように、お宮さんやお寺にかかわる記事が出ないことはないといえましょう。
 真宗大谷派、浄土真宗本願寺派の仏教信仰の厚い土地柄ですが、他宗に対しても広く深いこころがありす。
 その信仰心の厚いことは、そのまま義理、人情のこまやかさにもつながっているのではないでしょうか。
 わが大乘寺は、もちろん直接には、檀信徒の皆さまに護持されているのですが、なお広く金沢市民のかたがたに親しまれ、守られていることを痛感いたします。
 のみならず、いまや、世界各地から、大乗寺を訪ねて参禅していただく人びとが増えてまいりました。
 大乘寺は、坐禅修行の寺院として、また、心安まる医しの寺院として、広く門戸を開放させて頂いています。
 ほんとうにありがたいことであります。

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