わたくしの金沢(3) 第41号
 明けまして、おめでとうございます。
 昨年中は、いろいろ、ありがとうございました。
 本年も、また、なにとぞ、御協力、御鞭撞のほど、お願い申しあげます。
 さて、「北国新聞」 の報ずるところによれば、石川県と白山市が協議をすすめ、福井県と勝山市、岐阜県と郡上市とが賛同し、これら三県三市で「白山の三馬場と三禅定道」を、文化庁へ、世界遺産として推薦することにした (昨年11月28日付)とのことです。
 白山は、富士山、立山とともに日本の三大霊山としてあがめられまた、わが大乘寺二世そして永光寺(羽咋市)、大本山總持寺の開山、曹洞宗の太祖として尊ばれている瑩山禅師は、ご自身のことを「白山の氏子なり」とおっしゃっているほどです。
 曹洞宗の僧侶は、必ず「白山妙理大権現」としるした軸物をたずさえています。
 白山のきよらかな水の恩恵をうけて、豊かな自然を生み出し、人間はもちろん、このあたり一帯のさまざまな生きものたちが育てられてきました。
 白山を中心とする地域の文化財をふくめて世界遺産となることは、とてもすばらしいことです。
 あわせて真宗、浄土真宗、曹洞宗など、そして白山信仰に育てられたこの地域の人びとは、すくなくとも私がこれまで接したかたがたは、信仰心、宗教的情操の厚いお方ばかりです。具体的なことは略しますが、それは、おどろくばかりです。
 私は、いわゆる他所者ですから、そのことがすぐわかるのですが、しかし、地もとのみなさまは、ご自分のことですから、お気づきになっていらつしやらないのではないでしようか。
 白山が世界遺産として登録されようとされまいと、そのことはともかくとして、私は地もとの皆さまの敬虔な宗教心、信仰心こそ、まさに世界遺産にあたいするとおもっております。

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