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このごろは、若い女性の参禅者が多くなってまいりました。 参禅の動機、理由として、精神的不安を解消したい、リフレッシュしたい、頭の休養、こころのリセットなどというのが、いちばん多いようです。 ここで、ストレス、ノイローゼということばを思いうかべます。 手もとの『新明解国語辞典』 (三省堂刊) には、ストレスとは、「外界から与えられた刺激で積もり積もった時に防衛反応として示す、生体の肉体上、精神上の不具合」のことだとあります。 また、ノイローゼとは、「不安などが原因で起こる神経機能の病気。(広義では、気を使うことが多くて病気のようになった状態をも指す) 」とあります。 大乗寺の坐禅堂 (僧堂) は、自然光を二重にやわらげて採光しています。かなり、うす暗い。むかしの日本の家屋を想い出します。 あのお茶室の原型は、坐禅堂でしょう。 坐禅堂で、外界から離れて、自分が自分にありのままに接していると、いつの間にやら、こころがおちついて、幼いころ母親の膝の上にかじりついているような安堵感、無限大に広がり、深まってゆく大宇宙にいだかれているような安心感に浸ることが出来るでしょう。しかも、からだには、なんの負担もない。 直射光を部屋のすみずみまでいっぱいにとりこんだ会社で、蛍光灯の下で、朝から晩まで、機器のまえで、仕事に追いまくられている日常。こころの休まるところ、疲労の逃げるところがありません。近代文明の人間虐待は、頂点に達しているのでしょう。 大乗寺の門は、いつも開かれています。
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