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去る6月21日(日)、山門と仁王さまの修復が完了した記念の法要をおこないました。 法要のあとさきは、めずらしく豪雨でしたが、法要のときだけ、ふしぎに快晴となりました。おおぜいの皆さまのご参詣や、各新聞社の取材などもありも 盛大裡に無事終了しました。大乘寺ご開山徹通義介禅師七百回ご遠忌の継続事業のひとつです。 山門は、大乘寺でもっとも古い建物とされています。石川県教育委員会によって、昭和57年、石川県指定有形文化財に指定されています。 山門の階下には、仁王さまが安置されています。仁王さまは、もともと金剛神といいインドの神さま帝釈天の化身とされ、お寺の山門の左右に安置されて二つの分身となり、密迩金剛、那羅延金剛などと称されています。また、口を開いている向って右を阿形といい、口を閉じている向って左を吽形といいます。仏教の守護神です。四、五百年まえ桃山時代後期の作風が濃厚とされ、三二〇年のむかし元禄二年に修復し、少くとも百年以上、手を加えないまま放置し、破損がはなはだしく、もう限界の状況でありました。 このたび、大竹仏壇製作所社長・大竹正信氏 (伝統工芸士)と、京都の仏所定慶・佐川中定氏(伝統工芸士)のお力をいただいて、六か月ののち、山門は新しく塗りかえられ、仁王さまは解体、みごとに修復されて、お帰りになりました。 折しもあたりの新緑に映える山門の深い朱色、筋骨隆々たる雄姿をほこる仁王さま (槍材。二体とも像高二三〇センチ。台座一一五センチ)がみごとによみがえりました。 また、一足づつ大わらじ(金沢市・伊藤博様、星山隆二様の奉納)もととのいました。なんとも、ほほえましいことです。 仁王さまが、静かに微笑しながら、お参りの皆さまをお迎えいただいております。
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