今秋は、大乘寺の普度会 第90号
ことしの秋、十月十四日は、大乘寺の「普度会(ふどえ)」の大法要が行われます。大乘寺では、去年から、
その準備体制に入っています。
 「普度会」は、江戸時代、天保六年(一八三五)、金沢で大飢餓が発生し、疫病が流行し、
山野に餓死者があふれたとき、能登屋又五郎さんが、白銀七十五枚を拠出して、諸寺院に依頼して、
供養の祈りを捧げたというのが、その始まりとされ、その後、各寺院も応分の金額を出資し、
檀信徒も援助して、寺院を改修し、まわりもちで法要をつとめて今日に至っています。
 また、大乘寺の仏殿(ぶつでん)(国指定重要文化財)の屋根のこけら葺きの大修理が一昨年より
始められており、今年の夏には完了の予定です。国、県、市の補助、檀信徒の皆さまのご協力を
いただいて、見違えるように立派になりつつあります。

 それから、今年は渡辺玄宗禅師(大乘寺重興六六世、大本山總持寺独住一七世、能登の祖院でご遷化)
の五〇回忌をお迎えします。玄宗禅師は、鈴木大拙博士と親交がありました。妻帯せず、肉食、飲酒、
喫煙をせず、修行道場で修行ひとすじの生活をつらぬき、多くの人びとに光りと救いを与えました。
このようなお方は、今後、この世に出ないでしょう。板橋興宗禅師と私は、その晩年に
お仕えした孫弟子です。記念の法要、記念講演、記念碑、建碑、遺墨展などを「普度会」の
前後に開く予定です。いずれ、くわしく御案内いたします。
 ぜひ、おいで下さい。おまちしております。


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